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今週のスポーツコラム |
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損して得取れ〜ヤンキースの経済学
インドネシア・スマトラ島沖地震と津波の被災者救済に、ブッシュ大統領が寄付したのは1万ドル。これに対して、松井秀喜選手は日本赤十字社に5,000万円を差し出しました。
日本に帰郷中の出来事にもかかわらず、ゴジラの善行はアメリカのメディアでも取りあげられています。
もちろん“いい人”だから寄付したのでしょうが、大統領の50倍近い大金を気前よくポンと出せるのも、球団から700万ドルという年俸をもらっていればこそ。
ゴジラをはじめとした名プレイヤーを抱えるヤンキースが、昨シーズン支払った年俸の総額は、約1億8,800万ドルにものぼります。
ヤンキースタジアムを訪れる観客数は、年間400万人近く。
それでも2003年を例に取ると、入場料収入は1億1,900万ドルで、年俸総額の1億7,000万ドルにも届きません。
そしてスポンサーからの協賛金等の収入を加えても、結局は約2,300万ドルの損失に終わっています。
来期の年俸総額はメジャー初の2億ドル突破。
これに加え、基準以上の総年俸を払う金持ち球団に科される“ぜいたく税”や“放映権料の分配”等、リーグへの多額の支払いが生じるため、まず赤字になるだろうと予想されています。
一般企業が続けて損失を出したら、体制の見直しを迫られますよね。なのに儲かっていなくてもヤンキースはオイシイ投資先のようで、あのゴールドマン・サックスが、赤字を埋めるための大型融資をしています。
というのも球団、投資銀行共に短期の損は折り込み済みで、もっと先を見ているから。
年俸には糸目をつけず、ヤンキースをさらに強いチームにして、親会社が所有するケーブル局YESネットワークと球団本体の価値を上げるのが目的。
いい選手を獲得する→人気が上がる→放映権収入が上がる→さらにいい選手を獲得するという、virtuous
circle:好循環を狙っているのです。投機対象ですから、もっと価値が上がったところで、球団および局の売却を目論んでいるのかもしれません。
もっともこれは、大都市ならではのビジネスプラン。
テレビの視聴者数が限られることから、地方に本拠地を置く球団が同様の路線を目指しても成功するはずがありません。
さぞかし条件に恵まれたヤンキースに反感を抱いている球団が多いかと思いきや、実際にはそうでもありません。
というのも、リーグから配分される放映権料頼みのところも多く、金満ヤンキース様々、高額年俸プレイヤー様々といったところ。
来期800万ドルの年俸を手にする松井秀喜選手は、自然災害の被災者のみならず、弱い球団の存続にも貢献しているというワケです。
(文/東野カーコ) |
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